長期休業明けは、遅くなった就寝時刻や登校への不安、近くを見る時間の増加が重なりやすい。学校の始業日から逆算して睡眠を戻し、心のSOS、目の使い方、母子健康手帳の接種記録を別々に確認する。

日本では始業日が自治体や学校で異なるため、全国共通の日付を起点にはできない。学校の年間予定や連絡アプリで登校日と持ち物を確かめ、数日前から朝の時刻を学校生活へ合わせる。

先に確認する心の警告サイン

「死にたい」「消えたい」と口にする、自分を傷つける、自暴自棄になる、身の回りの物を急に人へ譲る。 こうした変化がある時は、叱ったり理由を問い詰めたりせず、子どもを一人にしない。厚生労働省は、自殺を口にする、自暴自棄になる、持ち物を人に譲るといったサインを挙げ、危険がある時は子どものそばを離れず、早めに心の専門家へ相談するよう示している。すでに自傷している、危険物や大量の薬を手にしているなど命の危険が差し迫る場合は119番へ通報する。

腹痛や頭痛、吐き気、食欲低下、眠れない状態が続き、登校や日常生活に支障が出る。 身体症状を「気持ちの問題」と決めつけず、小児科などで身体面を確認し、担任、養護教諭、スクールカウンセラーへ同時に共有する。こども家庭庁は、休日・夜間に受診の判断で迷う時、地域の相談窓口へつながるこども医療電話相談#8000を案内している。実施時間は都道府県で異なる。

学校や友人関係の悩みを子どもが家族へ話しにくい場合は、文部科学省の「24時間子供SOSダイヤル」0120-0-78310が、夜間・休日を含め、原則として電話した地域の教育委員会の相談機関へつないでいる。相談先を示すだけで終えず、本人が連絡するまでそばにいるか、保護者が学校へ先に状況を伝える。

暗い部屋のベッドで横になる子ども(イメージ)

睡眠──起床時刻から就寝時刻を決める

最初に始業日の起床時刻を決め、必要な睡眠時間を引いて就寝時刻を置く。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、小学生で9〜12時間、中学・高校生で8〜10時間を参考に睡眠を確保し、朝は太陽光を浴び、朝食を取り、日中に体を動かし、夜更かしの習慣化を避けるよう勧めている

休み中の起床が大きく遅れていた場合も、一晩で帳尻を合わせようとしない。朝の光、朝食、日中の活動を先に学校日の時刻へ寄せ、夜は端末やゲームを終える時刻を家族で決める。推奨時間を確保しても強い眠気が続く、いびきや呼吸の途切れがある、朝に起きられず生活が崩れる場合は、小児科へ相談する。

登校不安──症状の有無と学校で困る場面を分ける

新学期を嫌がる様子を、一つの「新学期症候群」という病名で扱わない。「朝に腹痛がある」「教室へ入る前に泣く」「特定の授業や友人関係を怖がる」のように、起きた時刻、身体症状、困る場面を短く記録する。学校へは欠席の可否だけを尋ねず、登校時刻、保健室や別室の利用、担任以外の相談相手を確認する。

子どもの訴えを聞く時は、すぐに解決策を示さず、何が起きているかを本人の言葉で確かめる。休ませるか登校させるかを家庭だけで固定せず、症状が続く場合は学校と医療機関の双方へつなぐ。

視力検査に使うランドルト環の視力表(イメージ)

目の健康──30センチ、30分、屋外2時間

日本眼科医会の子ども向け啓発資料は、目と画面を30センチ以上離し、30分画面を見たら1回は20秒以上遠くを見て、1日2時間の屋外活動を取り入れるという三つの行動を示している。宿題、読書、タブレットを一続きの近見作業として数え、休憩時は別の画面へ切り替えない。

屋外2時間は直射日光を浴び続ける意味ではない。日本眼科医会は、木陰でも室内より高い照度を得られる場合が多いと説明し、熱中症や紫外線へ配慮しながら無理のない屋外活動を求めている。暑い時間帯を避け、帽子や日陰を使う。

黒板や標識を見にくそうにする、目を細める、片目を隠す、学校の視力検査で受診を勧められた場合は、生活習慣だけで様子を見続けず眼科を受診する。近視の有無や度数、眼鏡や治療の選択は、家庭のチェック表では決められない。

ランドセルを背負って並んで歩く二人の小学生(イメージ)

接種記録──母子健康手帳と自治体の通知を照合

入学前や新学期前には、母子健康手帳の予防接種欄を開き、接種日が空欄のままの項目を確認する。厚生労働省は、麻しん・風しん混合ワクチンを1歳時と小学校入学前の計2回接種する日程としている。接種したのに記録がない場合もあるため、空欄だけを根拠に未接種と断定しない。

厚生労働省は、定められた時期に予防接種を受けそびれた場合は、できるだけ早く接種し、公費接種の扱いを居住する市区町村へ確認するよう案内している。ワクチン名、必要回数、公費の期限は年齢と過去の記録で変わるため、母子健康手帳を持って自治体の予防接種窓口や小児科へ相談する。発熱や急な体調不良がある日の接種可否は、予約先の医師が判断する。

新学期前の確認表

学校の日程。 始業日、登校時刻、給食開始日、健康診断の案内を学校の一次情報で確認する。

睡眠。 起床時刻から必要な睡眠時間を逆算し、朝の光、朝食、日中の活動を学校日の時間帯へ戻す。

心の変化。 身体症状、眠り、食事、登校を嫌がる場面を記録し、希死念慮や自傷があれば子どもを一人にしない。

目。 画面との距離、連続して近くを見る時間、屋外で過ごす時間を確認し、見えにくさや学校からの通知があれば眼科へつなぐ。

接種記録。 母子健康手帳と医療機関・自治体の記録を照合し、空欄や不明点を自治体の窓口へ問い合わせる。

よくある質問

始業日の何日前から睡眠を戻すのか
全国一律の日数はない。学校の始業日と現在の起床時刻を確認し、数日前から朝の光、朝食、日中の活動を学校日の時刻へ寄せる。睡眠時間は小学生9〜12時間、中学・高校生8〜10時間を参考にする。

登校前の腹痛は心の問題なのか
腹痛だけで原因を決めない。症状の時刻と程度を記録し、続く場合は小児科で身体面を確認するとともに、学校で困っている場面を担任や養護教諭へ共有する。

屋外活動をすれば近視にならないのか
発症を必ず防ぐとは限らない。屋外活動と近見作業の休憩は予防のための生活習慣であり、見えにくさや検診の指摘があれば眼科で確認する。

母子健康手帳に空欄があれば、すぐ接種するのか
空欄だけで未接種とは断定しない。医療機関や自治体に残る記録を照合し、必要なワクチン、公費の期限、当日の体調を確認した上で医師が接種を判断する。