東京都日野市の多摩動物公園で、雌ライオンのムギ(3歳)、イチゴ(11歳)、ルエナ(15歳)が7月28日から8月2日までの間に相次いで死んだ。解剖では3頭に脱水と多臓器不全が確認され、園は暑熱が体調悪化に関わった可能性をみている。ただ、死因は本稿の執筆時点で確定していない。

ムギ、イチゴ、ルエナが相次いで死亡

AP通信は多摩動物公園の説明として、ムギが7月19日に食欲を失い、翌日には立てなくなったと報じた。飼育側は散水と送風で体を冷やし、補液などの治療を続けたが、ムギは7月28日に死んだ。イチゴとルエナもその後数日以内に死亡し、3頭の解剖で脱水と多臓器不全が確認された

この所見は暑熱の影響を疑う材料になる一方、最終的な死因の確定とは区別する必要がある。園の確定発表が出るまでは、3頭が熱中症で死亡したと断定できない。

展示とライオンバスを7月23日から休止

異変は3頭の死亡より前から表面化していた。多摩動物公園は7月22日、急な猛暑によるライオンの体調不良を理由に、翌23日から展示とライオンバスの運行を当面休止すると発表した。再開時期は公式サイトと公式Xで知らせるとしている。

砂地に立つ温度計と強い日差し(イメージ)

同じ週、人の熱中症搬送は1万8591人

ライオンの体調悪化が続いた時期、日本では人への暑さの影響も広がった。総務省消防庁の速報値によると、7月20〜26日に全国で熱中症により救急搬送された人は1万8591人で、初診時に死亡が確認された人は45人だった。搬送者の57.9%にあたる1万765人を65歳以上が占めた。

この統計は全国の人を対象とした1週間の集計であり、多摩動物公園の飼育環境や3頭の死因を直接示す資料ではない。暑さが人と飼育動物に同時に負荷をかけていた時期的な背景として捉える必要がある。

死因の確定はこれから

確認できているのは、3頭に共通して脱水と多臓器不全があったこと、園が暑熱の関与を疑っていること、体調不良を受けて展示を止めたことまでだ。

多摩動物公園が最終的な検査結果や再発防止策を公表するかは、本稿の執筆時点で確認できていない。展示再開の判断を含め、園の続報を待つ段階にある。

よくある質問

死亡したライオンは何頭か
雌のムギ、イチゴ、ルエナの3頭だ。ムギは3歳、イチゴは11歳、ルエナは15歳だった。

死因は熱中症で確定したのか
確定していない。3頭の解剖で脱水と多臓器不全が確認され、園は暑熱の関与を疑っているが、検査結果がそろうまで死因は決められない。

ライオンは現在見られるのか
園は7月23日からライオンの展示とライオンバスの運行を当面休止した。再開時期は公式サイトと公式Xで告知するとしている。