ネパールの首都カトマンズ北東にあるドラカ郡のヤルン・リ(Yalung Ri、標高5630メートル)で、2025年11月3日の雪崩後に行方が分からなくなった5人とみられる遺体が、約9カ月後に見つかった。遺体は季節的な融雪でベースキャンプの雪上に露出したが、8月7日時点で収容されていない。

現地住民は8月6日に遺体を発見し、ドラカ郡警察へ通報した。警察は翌7日に現場へ向かったものの、天候の悪化で収容作業を見送った。警察は5遺体を昨年から不明の5人とみているが、身元は収容後の検査で確定する。

雪崩から9カ月──残る5人とみられる遺体

ヤルン・リはロールワリン(Rolwaling)山域にある標高5630メートルの山である。2025年11月3日、ベースキャンプ付近を雪崩が襲い、外国人5人とネパール人ガイド2人の計7人が死亡した。

ロイター通信が同月5日に伝えた時点では、イタリア人とフランス人の2遺体が深い雪から回収され、外国人3人とネパール人2人の捜索が続いていた。今回の5遺体はこの5人と人数が一致する。ただし、警察の判断は推定であり、正式な身元確認は終わっていない。

高所の雪山斜面を進む登山隊(イメージ)

融雪で露出──収容を阻む天候

当初の捜索では雪が不安定で、再び雪崩が起きる危険が残り、5人に近づけなかった。8月に遺体が見えた直接の契機は、季節的な融雪で雪面が下がったことだった

発見後の収容も天候に阻まれた。警察の航空隊は現場へ向かったが、悪天候のため5遺体を運び出せなかった。現場の積雪量、遺体が埋まっていた深さ、融雪の推移を示すネパール当局の詳しい調査資料は、本稿の執筆時点で確認できていない。

日本からの渡航で確認する公的情報

外務省のネパール安全対策基礎データは、3カ月未満の渡航者に「たびレジ」の登録を案内し、事件、事故、自然災害が起きた際の安全情報の配信や安否確認に登録情報を使うとしている。山岳地域への渡航判断には、在ネパール日本大使館の安全情報と現地当局の発表を出発前に照合する必要がある。

日本政府が今回の5遺体の発見や邦人被害を個別に公表した資料は、本稿の執筆時点で確認できていない。これは邦人被害がないとの断定ではなく、公表資料から確認できる範囲を示すものだ。

よくある質問

見つかった5遺体の身元は確定したのか

確定していない。警察は昨年の雪崩後に不明となった5人とみているが、収容後の検査が必要である。

遺体はすでに収容されたのか

8月7日時点では現場に残されていた。警察は天候が回復し次第収容する方針を示したが、その後の完了を裏付ける公的な発表は本稿の執筆時点で確認できていない。

なぜ発見まで約9カ月かかったのか

残る5人は不安定な雪の下にあり、再度の雪崩の危険から当初の捜索で近づけなかった。季節的な融雪が進み、遺体が雪面に露出したことで発見につながった。