米国で起きたサルモネラ・ジャビアナ(Salmonella Javiana)の集団感染は、州当局による初期調査から、メキシコ産ハラペーニョを対象とする全米規模の回収へ発展した。米食品医薬品局(FDA)が8月5日にまとめた感染者は27州の345人で、36人が入院した。死者は報告されていない。

ミネソタ州の110人から全米345人へ

調査の端緒の一つとなったのがミネソタ州だ。AP通信は8月4日、同州が110人の感染を確認し、聞き取りが済んだ人の大半が6月中旬から7月中旬にChipotle Mexican Grillを利用していたと報じた。一方で、別のメキシコ料理店を利用した人も含まれていた。単一の外食チェーンより、複数の店に納入された共通食材へ調査の焦点が移った。

翌5日に連邦当局が公表した数字は、集計範囲を27州へ広げたものだ。FDAによると、発症日は6月19日から7月20日までで、聞き取りを受けた191人のうち177人、93%が発症前にメキシコ料理店で食事をしていた。利用先にはChipotleとQDOBAが含まれる。ミネソタ州の110人と全米の345人は、対象地域と公表時点が異なるため、同じ範囲の数字ではない。

追跡調査がシナロア州の生産者へ

飲食店の厨房で並べられた食材と調理器具(イメージ)

FDAは患者が食事をした店舗から納入経路をさかのぼり、メキシコ・シナロア州の共通する生産者を感染源とみられる供給元として特定した。対象のハラペーニョを米国内へ輸入したのはCoast Citrus Distributorsで、同社はFDAの要請を受けて残る対象品の回収と納入先への連絡を進めている。生産者名と農場での汚染経路は公表されていない。

米疾病対策センター(CDC)は、疫学調査と流通経路の追跡結果から、シナロア州産でCoast Citrus Distributorsが流通させたハラペーニョを感染源と判断した。同社が回収に応じたことも明らかにしている。対象品は主にレストランや卸売業者へ納入された。FDAは小売店にも渡ったかどうかを引き続き調べている。

ChipotleとQDOBAは提供停止

Chipotleは影響を受けた店舗で7月20日からハラペーニョの仕入れ先を切り替え、QDOBAは7月28日に全店で使用を止めた。FDAとCDCは、対象品を外した両チェーンについて、今回の集団感染に関する現在進行中の危険はないとの見方を示した。ただし、これは両社の店舗に限った評価で、回収対象品の全流通先が判明したという意味ではない。

初期段階では州ごとの発表が先行し、連邦当局の数字と食材名がそろうまで時間差が生じた。8月5日のFDA発表で感染者数、原因食材、輸入業者は一本化されたが、調査自体は継続中だ。対象品が日本国内へ流通したことを示す公的資料は、本稿の執筆時点で確認できていない。