コロンビア西部で8月10日午前7時34分(現地時間)、マグニチュード(M)7.4の地震が発生した。コロンビア地質局の更新解析を伝えた現地報道によると、震央はチョコ県サンホセ・デル・パルマル付近で、震源の深さは96キロだった。一方、EL PAÍSが米国地質調査所(USGS)のデータを基に整理した図解では、震源は約110キロとされた。観測網や解析時点が異なるため、二つの値には開きがある。

AP通信は、カリ、ペレイラ、キブド、マニサレスなどコロンビア西部の都市で建物が倒壊し、揺れは隣国エクアドルとパナマでも感じられたと報じた。大統領が示した初期集計では約1600棟が損壊し、少なくとも61棟が全壊した

死者287人──14日時点の暫定集計

AP通信は8月14日、少なくとも287人が死亡し、負傷者は約4000人、行方不明者は数百人に上ると報じた。生活に影響を受けた人は10万2263人とされ、住宅のほか学校、医療施設、地域拠点にも被害が広がった

被害把握と支援の速度には地域差がある。AP通信によると、14日時点でも政府の支援が届いていない地域があり、住民やボランティアが対応を担っていた。本稿は同日時点の287人を基準とし、その後に更新された死傷者数は含めない。

震源約100キロ──深くても安全とは限らない

米国地質調査所(USGS)は震源の深さを0〜70キロの浅発、70〜300キロの中深発、300〜700キロの深発に区分している。コロンビア地質局が初期に示した96キロは中深発地震に当たる。

大阪管区気象台は、深い地震では浅い地震より地上の揺れが小さくなる傾向がある一方、規模が大きければ浅い地震より広い範囲で強く揺れる場合があると説明している。震源が深ければ、同じ規模の浅い地震より震央直上の揺れが抑えられる傾向はある。しかし、それは被害が出ないという意味ではない。

気象庁は、マグニチュードを地震そのものの規模、震度を各地点の揺れの強さと区別している。外国の地震では、観測網や計算方法の違いから同じ地震でもマグニチュードが少し異なる場合があり、震源の位置や規模も速報値から更新される。M7.4という大きな規模と約100キロの深さは別の指標であり、深さだけから地表被害を予測できない。

コロンビア西部地震の震央と周辺地域を示した米国地質調査所の地図
震央はチョコ県サンホセ・デル・パルマル付近に位置する。(U.S. Geological Survey/パブリックドメイン、Wikimedia Commonsより)

都市の建物被害と交通の寸断

地表の揺れは、震源からの距離に加え、地盤や地形、建物の構造によって変わる。気象庁は、軟弱な地盤では固い地盤より揺れが大きくなると説明している。コロンビア各地の被害に地盤や建物の状態がどの程度影響したかは、現地の包括的な調査を待つ必要がある。

被害はカリやペレイラなど人口の多い都市にも及んだ。コロンビア民間航空局の発表を伝えたEL PAÍSによると、カリ、ペレイラ、マニサレス、キブド、アルメニア、カルタゴ、ブエナベントゥラの7空港が、施設の点検や損傷確認のため一時的に運航を止めた。発災時の停止情報を現在の運航状況とみなさず、航空会社と空港の最新発表を確認する必要がある。

救助は96時間超、避難生活への支援も課題

就任から3日だったアベラルド・デラエスプリエジャ大統領は国家非常事態を宣言した。発災から96時間を迎えた14日、ベネズエラ、アルゼンチン、イスラエルの救助隊が捜索に加わり、ペレイラとカリでは倒壊現場から生命反応とみられる兆候が報告された。捜索は15日まで延長された。

救助と並行して避難生活への対応が始まった。学校、公園、公共施設が避難所となり、一部の住民は路上に仮設の居場所を設けた。AP通信によると、米国は14日に食料、保健、保護、避難所向けの1100万ドルを追加し、地震後の支援総額を2650万ドルとした。住宅や病院、学校、道路、空港の復旧には被害判定と長期の資金が要る。

日本政府が今回の地震による邦人被害や現地交通への影響を一括して示した資料は、本稿の執筆時点で確認できていない。日本から現地への渡航を予定する人は、報道時点の空港一覧ではなく、利用する航空会社、乗り継ぎ空港、宿泊先、外務省と在コロンビア日本大使館の最新情報を個別に照合する必要がある。

よくある質問

コロンビア西部地震の規模と震源の深さは
規模はM7.4で、コロンビア地質局は深さ96キロ、USGSのデータを基にした図解は約110キロとしている。震央はチョコ県サンホセ・デル・パルマル付近で、いずれの深さも中深発地震に当たる。数値は観測機関や解析時点によって更新される場合がある。

震源が深いのになぜ大きな被害が出たのか
深い地震は同規模の浅い地震より震央直上の揺れが小さくなる傾向があるが、M7.4の規模なら揺れは広範囲に及ぶ。各地点の揺れと被害は、震源までの距離、地盤、建物の構造にも左右される。

死者287人は確定値か
確定値ではない。287人は8月14日時点の集計で、捜索と身元確認の進展により変わる。本稿は同日時点の状況を扱う。