Steamファミリーは、同じ家庭で暮らす近親者が自分のSteamアカウントを保ったまま、共有対象のゲームを使う仕組みだ。参加できるのは最大6人だが、6人全員が同じタイトルを同時に遊べるとは限らない。
同時利用の上限は、ファミリー内にある同じゲームのコピー数で決まる。脱退後は新しいファミリーへ移るまでの1年制限もあり、参加人数、ゲームのコピー、アカウントと空き枠のクールダウンを分けて確かめる必要がある。
三つの数字──6人、コピー数、1年
「最大6人」はグループの人数であり、同じゲームの同時利用枠ではない。1コピーなら1人、2コピーなら2人まで同時に起動できる。一方、別々のゲームなら、購入者がほかのタイトルを遊んでいる間も共有対象の作品を使える。その間も別の共有対象ゲームは利用でき、ファミリーライブラリ全体がロックされるわけではない。
1年の起算点も脱退日ではない。基準は前のファミリーへ参加した日である。アカウント側の待機と空き枠側の待機は別の状態なので、メンバーが抜けた直後に別の人を招待できるとは限らない。
作成前に決める──大人と子どもの役割
作成画面はSteamストアの「アカウント詳細」にある「ファミリー管理」から開く。「ファミリーを作成」で名称を付け、「メンバーを招待」から相手を選び、大人か子どもの役割を指定する。管理にはSteamクライアント、モバイル端末、ウェブブラウザーを使える。
大人メンバーは招待とアカウント制限を管理する。子どもメンバーには、遊べるゲーム、Steamの機能、プレイ時間を制限するペアレンタルコントロールを設定する。子どもは自分でファミリーから脱退できず、大人メンバーかSteamサポートによる削除が必要になる。
メンバーはそれぞれ自分のアカウントを使う。ゲームの所有権は購入者に残り、実績は実際に遊んだアカウントへ記録される。セーブデータの動作はタイトルごとに異なる。Valveはパスワードを誰にも渡さないよう明記しており、ファミリーへの招待にログイン情報の共有は要らない。
同時プレイはライブラリではなくコピー単位
4人のファミリーが「Portal 2」と「Half-Life」を1コピーずつ持つ場合、1人が「Portal 2」、別の1人が「Half-Life」を同時に遊べる。「Portal 2」を2人が同時に遊ぶなら、ファミリー内にもう1コピーが必要だ。唯一のコピーが利用中なら、Steamクライアントで誰が遊んでいるかを確認し、その人が終了するまで待つ。
同じタイトルを複数人が所有している場合は、どのメンバーのコピーを使うか切り替えられる。ただし、コピーごとに登録されたダウンロードコンテンツ(Downloadable Content、DLC)が異なると、切り替え後にセーブデータが正常に動かない場合がある。所有者とDLC構成を先に確認する必要がある。
共有対応のゲームはファミリーライブラリからオフラインでも遊べる。オフライン対応はコピー数を増やす仕組みではないため、同じタイトルの同時利用は保有数に左右される。
共有対象外──第三者サービスから地域制限まで
ValveのFAQは、共有できないゲームやコンテンツとして、追加の第三者キー・アカウント・サブスクリプションが必要な作品、無料プレイのゲームとそのDLC、本人またはファミリーメンバーの地域で制限されるゲームやDLCを挙げる。Steam上のコピーを共有しても、外部サービスの利用資格までは移らない。
ほかに、メンバーのオペレーティングシステムをサポートしない作品、パブリッシャーが共有不可にした作品、元の所有者が非公開に設定した作品も対象外となる。パブリッシャーは後から共有対象を変更しうるため、以前遊べたという履歴だけでは現在の可否を判断できない。
地域制限はゲームやDLCの利用可否に関する条件だ。ファミリーへ参加できるかを判定する同居要件とは別であり、「地域制限がないから離れて暮らす相手とも参加できる」という結論にはならない。
参加できない時──同居判定とクールダウンを確認
Valveのトラブルシューティングは、参加できない主な理由を三つに分けている。アカウントの利用状況から既存メンバーと同じ世帯だと確認されない場合、以前のファミリーから移るアカウントがクールダウン中の場合、参加先のメンバー枠がクールダウン中の場合である。参加画面には残りの待機期間が表示される。
本稿で確認した日本語版FAQは、同じ家庭かを判定する信号の全体を示していない。固定のIPアドレス、端末、ログイン日数を満たせば通るとの説明もない。画面に示された理由と実際の居住状況を照合する必要がある。
日本のアカウントに限った参加拒否件数、同居判定の誤り率、サポート対応後の結果を示すValveの公開資料は、本稿の執筆時点で確認できていない。同居しているのに参加できない場合も、公開情報から承認の見込みは算出できない。
脱退後の1年──前のファミリーへの復帰は例外
大人メンバーはいつでも脱退できるが、新しいファミリーを作るか、別のファミリーへ入るには、前のファミリーに参加した日から1年が過ぎている必要がある。脱退ボタンを押してから一律に1年ではない。子どもメンバーは自分で脱退できず、大人メンバーまたはSteamサポートに削除を依頼する。
誤って脱退した場合には例外がある。最後に参加していたファミリーなら待機せずに戻れるが、再加入を試みる時点でメンバーが6人未満でなければならない。別の新しいファミリーへすぐ移るための例外ではない。
大人メンバーはほかのメンバーをファミリーから外せる。自分から脱退した場合、子どもが削除された場合、大人に外された場合を一つの操作として扱わず、再参加画面に出るアカウントと枠の状態を確認する。
不正行為と不具合──資格とゲームを切り分ける
共有したゲームでファミリーメンバーがチートや詐欺に関与した場合、Steamファミリーの権限が取り消され、ゲームの所有者側のアカウントもValveアンチチート(Valve Anti-Cheat、VAC)による禁止を受ける可能性がある。信頼できる同居家族だけを招待し、パスワードは共有しないという公式の注意は、所有者側にも影響が及ぶためである。
参加できない時はエラー内容と残り期間を保存する。単一のゲームがロックされている時は利用中のメンバーを確認する。作品がライブラリに出ない時は、第三者アカウント、無料プレイ、地域、オペレーティングシステム、パブリッシャー設定、非公開設定の順に共有対象を調べる。問題が残る場合は、Valveの日本語版「Steamファミリーの問題」ページがFAQの確認後にSteamサポートへ問い合わせる窓口を案内している。
購入したゲームの内容や動作を理由とする返金は、ファミリーへの参加資格とは別の手続きだ。Valveの日本語版返金ページは、Steamストアでの購入から2週間以内、使用時間2時間未満のゲームまたはソフトウェアを標準の対象とし、条件外の申請も担当者が確認すると説明している。共有できないという事実だけで返金が決まるわけではなく、購入記録と対象商品の条件を分けて確認する。
加入前に確かめる六項目
1 参加者。 同じ家庭で暮らす近親者か、人数が6人以内かを確認する。各自のSteamアカウントを使い、パスワードは渡さない。
2 役割。 招待時に大人と子どもを選ぶ。プレイ時間や機能を制限する対象は子どもに設定し、子ども自身では脱退できない点を共有する。
3 コピー数。 同じタイトルを同時に遊ぶ人数と、ファミリー内の保有コピー数を比べる。コピーごとのDLC構成も確かめる。
4 共有可否。 第三者サービス、無料プレイ、地域、オペレーティングシステム、パブリッシャー設定、非公開設定のどれかに該当しないかをタイトルごとに見る。
5 クールダウン。 参加するアカウントと使用する空き枠の双方について、画面に残り期間が出ていないかを確認する。
6 不正行為への対応。 共有したコピーでのチートや詐欺が所有者にも影響しうることを参加者全員で確認し、問題が起きた時の記録と問い合わせ先を決める。
よくある質問
Steamファミリーには最大何人まで参加できるか
最大6人である。この数字はメンバー総数の上限で、同じゲームを同時に使える人数ではない。
同じゲームを2人で同時に遊べるか
ファミリー内に共有対象の同じゲームが2コピーあれば遊べる。1コピーだけなら、利用中の人が終了するまでほかのメンバーにはロックされる。
脱退したら必ずその日から1年待つのか
新しいファミリーへ移る時の基準は、前のファミリーに参加した日から1年である。最後に参加していたファミリーへ戻る場合は、再加入時に6人未満なら待機を要しない。
同居しているのに参加できない場合はどうするか
参加画面のエラーとクールダウンの残り期間を保存し、アカウント側と空き枠側を分けて確認する。公開FAQから同居判定の信号は特定できないため、問題が続く場合はSteamサポートへ問い合わせる。
出典・参考資料
- Steamファミリーユーザーガイド&よくある質問(Valve)最大6人、対象となる家庭、設定手順、同時利用とコピー数、共有対象外、脱退と空き枠のクールダウン、同居判定、VAC禁止に関する公式説明
- Steamファミリーの問題(Valve)Steamファミリーの問題をFAQで切り分け、解決しない場合にSteamサポートへ問い合わせる公式窓口
- Steam返金(Valve)ゲームとソフトウェアの標準返金条件、条件外申請の審査、DLCと返金先に関する日本語版の公式説明