Galaxyの画面に緑色の縦線が固定表示されても、線の色や出た時期だけで部品故障かソフトウェア更新の影響かを決められない。再起動とセーフモードでアプリの影響を切り分け、それでも残る線はメーカーまたは購入元の検査へ進む。無償か有償かは、購入日、故障原因、購入経路、修理歴を合わせて判定する。

スマートフォンの画面を操作する利用者の手(イメージ)
固定線の位置と発生時刻、本体外装の状態を送付前に記録する。

緑線だけでは故障部品を決められない

有機EL(Organic Light-Emitting Diode、OLED)は、画素を構成する有機材料が発光する表示方式だ。Samsung Global Newsroomは、表示ドライバーIC(Display Driver IC、DDI)を文字や画像を画面に表示する中核部品の一つと説明している。画面は発光材料だけで成り立つのではなく、画素へ信号を送る配線、表示ドライバーIC、基板との接続部を含む。

Samsung Displayの研究チームは2025年、Society for Information Display(SID)の論文で、複数のOLED製品を高温・高湿度下で信頼性評価し、縦または横の輝線と信号配線の抵抗増加に伴う出力異常を確認した。パネル、表示ドライバーIC、基板を結ぶ異方性導電膜(Anisotropic Conductive Film、ACF)の接続部では、ニッケル被覆導電粒子の劣化と酸化も確認した

これは固定の縦線がハードウェア異常でも起こり得ることを示す一例で、利用中のGalaxyすべての原因を説明する研究ではない。線が更新直後に現れても、時間の前後関係は更新が部品を壊した証明にはならない。色と位置から故障箇所は確定できず、個別の検査が要る。

机の上に並べられた3台のスマートフォン(イメージ)
同じ色の線でも、機種と個体を調べずに故障部品は決められない。

最初の切り分け──再起動とセーフモード

線が出たら、別の端末で画面と本体の前面、背面、四隅を撮影する。線がロック画面や起動画面にも出るか、画面の向きを変えても同じ位置に残るか、直前に落下や水濡れ、更新、アプリ追加があったかを記録する。表示が読めるうちにバックアップの最終完了時刻も確認する。

次に一度だけ再起動し、通常起動後の表示を確かめる。Galaxyではセーフモードも切り分けに使える。Samsung Japanは、セーフモードが第三者製アプリを制限し、端末側とアプリ側の一時的な不具合を分けるための機能だと説明する。セーフモードで正常に戻る場合は第三者製アプリが原因だが、セーフモード自体は不具合を直す機能ではない

再起動後も同じ位置に残り、セーフモードでも変わらない線は、アプリを外すだけでは説明しにくい。ただし、その結果だけでパネル、配線、表示ドライバーICのどれが故障したかは決まらない。初期化を繰り返したり、画面を押す、加熱する、端末を開けるといった非公式の手順へ進まず、記録を保ったまま検査を依頼する。

保証内でも緑線だけで無償にはならない

Samsung Japanのスマートフォン修理規定は、日本国内で新品として購入した国内向け製品の保証期間を原則1年、電池を6カ月としている。正常な使用状態での故障は無料修理の対象だが、液体こぼれ、水没、落下、改造、非純正部品に起因する故障、指定修理工場以外での修理歴などは、期間内でも有料修理となる。製品による違いがあるため、同梱の保証書やクイックスタートガイドも照合する。

緑線という症状だけで無料交換は確定しない。保証を申請する際は、保証書または購入日が分かる領収書、納品書、購入履歴をそろえる。受付前に本体の傷、へこみ、割れ、線の位置を写真で残し、検査後は故障箇所、外力や液体侵入の判定、交換部品、保証適用の可否を文書で確認する。

黄色い机の上で錠前を表示するスマートフォン(イメージ)
購入証明と外装写真をそろえても、無償か有償かは検査後に決まる。

S23 Ultraの公開額は2万9788円から

2026年8月19日に更新されたSamsung Japanの料金表は、メーカーブランド版Galaxy S23 Ultra(SM-S918Q)のディスプレイ交換を税込2万9788円からとしている。料金は予告なく変わり、申告していない不具合が見つかった場合は、製品の品質保証のため該当部品の修理も必要になる

この金額は確定見積もりではなく、通信事業者から販売された端末の一律料金でもない。同じ表でGalaxy S23とS23+のディスプレイ交換額は確認できないため、他地域の価格は日本の目安にならない。型番、購入元、補償加入の有無を伝え、同じ窓口の現行料金を確認する必要がある。

保証外で症状を再現できなかった場合や、預かり後に修理を取り消した場合は、Samsungの規定上、診断料が生じることがある。有料修理では、申し込み時に見積もりを希望するか、上限額を設定するかで手続きが変わる。送付前にディスプレイ、フレーム、電池、作業料、診断料、キャンセル料のどこまでを見積もりに含めるかを書面でそろえる。

青い修理マットに置かれた分解中のスマートフォンと工具(イメージ)
公開料金は入口の数字で、交換範囲と追加故障によって見積額は変わる。

購入経路で修理窓口が分かれる

Samsung Japanは店頭修理と預かり修理を案内し、店頭窓口にGalaxy Harajuku、Galaxy Studio Osaka、ドコモショップのGalaxyリペアコーナーを挙げる。一方、預かり修理は楽天モバイルとメーカーブランド製品を対象とし、ドコモ、KDDI、ソフトバンク、UQ mobile、J:COMの販売端末は各通信事業者への問い合わせを求めている。店頭で受け付ける購入元と機種も異なるため、予約前に型番を照合する。

保証期間が残る端末は、指定外の店で開ける前にメーカーまたは購入元へ相談する。保証外で独立系修理店も比べる場合は、交換するのが表示パネルか完成した画面モジュールか、部品は純正品か互換品か、指紋認証とタッチをどう検査するか、防水性能をどう扱うか、修理後の書面保証が何カ月かを同じ項目で尋ねる。部分修理の価格と完成モジュールの価格をそのまま比べても、同じ作業の比較にはならない。

価格表示とともに店頭に並ぶ複数のスマートフォン(イメージ)
修理受付の可否は購入元、型番、補償契約、部品の保有状況で変わる。

メンテナンスモードはバックアップの代わりではない

Samsung Japanによると、Android 13以降のGalaxyにあるメンテナンスモードは、写真、動画、連絡先、メッセージ、通話履歴を修理担当者から隠し、第三者製アプリの利用を制限する。一方、基板部品の交換などで端末が初期化される場合があり、データが残る保証はないため、モードを有効にする前のバックアップを求めている

写真と連絡先に加え、メッセージ、認証アプリの復旧情報、決済とFeliCaの移行手順を確認する。バックアップから実際に戻せるデータの範囲と完了時刻を見てから、メンテナンスモードを有効にする。SIMカードとmicroSDカード、修理に不要なケーブルや付属品は外し、端末の識別番号と同梱物を記録する。

ケーブルでノートパソコンにつながれたスマートフォン(イメージ)
メンテナンスモードは修理中の閲覧を制限する機能で、データの複製ではない。

国内の一律無償修理は確認できず

日本で「緑線」を条件にGalaxy全機種を一律無償修理する常設制度を示すSamsung Japanの公式資料は、本稿の執筆時点で確認できていない。海外の期間限定対応や利用者投稿を、日本で購入した別型番の保証条件へ移す根拠はない。国内では、端末ごとの保証書、購入元の補償契約、Samsung Japanまたは通信事業者の検査結果を順に確認する必要がある。

修理と買い替えを比べる際は、検査後の総額、診断・キャンセル料、部品の保証期間、預ける日数、代替機、データ移行、残るソフトウェア更新期間を同じ表に置く。表示が読める段階でバックアップを終え、購入経路に合う窓口から書面見積もりを取ることが、固定線が増えたり画面が消えたりした場合の備えにもなる。

よくある質問

緑線は再起動やOS更新で消えるのか
一時的な表示異常なら再起動で変化する場合があるが、固定線の原因を再起動だけで特定できない。通常起動とセーフモードの両方で同じ位置に残る場合は、データを保全して検査へ進む。更新の直後に出たという時系列だけで、更新がハードウェアを壊したとは断定できない。

保証期間内なら画面を無料で交換するのか
自動的には決まらない。国内向け新品は原則1年の保証だが、購入証明と検査が要る。液体侵入、落下、改造、非純正部品に起因する故障、指定外修理歴などが確認されれば、期間内でも有料となる。

Galaxy S23シリーズの画面修理はいくらか
Samsung Japanの現行表で確認できるのは、メーカーブランド版S23 Ultraのディスプレイ交換2万9788円からである。S23とS23+、通信事業者版へ同じ金額は使えず、正確な費用は型番と購入元に対応する窓口の検査後に決まる。

メンテナンスモードならデータは消えないのか
消えない保証はない。メンテナンスモードは個人データへのアクセスを制限するが、基板交換などで初期化される場合がある。写真、連絡先、認証と決済の復旧情報を別の場所へ保存してから修理に出す。