Microsoft 365 Familyは、契約者1人がほかの5人までを招き、合計最大6人が各自のMicrosoftアカウントでアプリとクラウドストレージを使う個人向けサブスクリプションだ。1人分の認証情報を回す方式ではなく、契約者が共有相手を管理し、各ユーザーのファイルは別々に保管される。

共有の入口はMicrosoftのファミリ グループである。本稿で確認した日本語の公式共有ページは、同じ住所への居住や住所提出を条件として記載していない。ただし、記載がないことは、見知らぬ相手との相乗りや国・地域をまたぐ共有をMicrosoftが保証するという意味ではない。契約者は招待前に、自分の共有画面に表示される条件を確認する必要がある。

ノートパソコンの画面にクラウド保存を示す図が映る机上(イメージ)

最大6人──ストレージとアカウントは各自に分離

Microsoftの日本向け比較ページは、Familyを1~6人用とし、1人につき1TB、合計最大6TBのクラウドストレージを付け、各ユーザーがすべての対応端末へアプリを導入して同時に5台へサインインできると示している。PC、Mac、スマートフォン、タブレットを併用する場合も、この5台はユーザーごとの同時サインイン数である。

Microsoftの共有FAQは、個人ファイル、メール、予定、連絡先、写真、ノートブックをユーザーごとに保存し、本人が明示的に共有しない限り、ほかのグループ参加者や契約者からは見えないと説明している。ファミリ グループへの参加と、OneDrive内の文書をほかの人へ共有する操作は別である。

Microsoftの比較ページは、Word、Excel、PowerPoint、Outlookなどのデスクトップアプリを各ユーザーが使える一方、CopilotなどのAI機能は契約者だけが利用でき、ほかのユーザーへ共有されないとしている。人数だけを見て「全機能が6人分」と判断すると、AI機能の範囲を取り違える。

ノートパソコンにクラウド上のフォルダーと文書が表示された様子(イメージ)

招待──契約者が送り、48時間以内に承諾

Microsoftの共有手順によると、契約者はサービスとサブスクリプションの共有ページで「共有」を選び、メールアドレス宛ての招待か、コピーした招待リンクを相手へ送る。受信者はMicrosoftアカウントで手続きを進め、48時間以内に招待を承諾して契約者のファミリ グループへ参加する

1 契約者の共有ページを開く。 Microsoft 365 Familyを購入したアカウントでサインインし、残っている共有枠を確認する。すでに5人へ共有している場合は、新しい相手を加える前に既存の共有を止める必要がある。

2 メールかリンクで招待する。 プロダクトキーや契約者のパスワードは渡さない。相手は自分のMicrosoftアカウントを使うため、認証情報を共用する必要はない。

3 受信者がグループへ参加する。 相手が別のMicrosoftファミリ グループに所属している場合は、先にそのグループから脱退する。二つのグループへ同時に残ったまま、新しい招待を受ける手順ではない。

4 特典の反映を確かめる。 承諾後は、受信者側のアカウントでMicrosoft 365のインストール項目とOneDrive容量を確認する。48時間を過ぎた場合は、契約者がダッシュボードから招待を再送する。

ノートパソコンの前で文書とフォルダーを整理する利用者(イメージ)

同居条件──日本語ページで確認できる範囲

日本語の共有手順が明記する条件は、契約者を含む最大6人、契約者からの招待、Microsoftアカウント、ファミリ グループへの参加である。本稿の執筆時点で、同居住所の入力、定期的な位置確認、住所証明書の提出を求める記述は、確認した日本語の共有手順とFAQに見当たらない。

この情報差は「同居していなくても必ず使える」という資格保証ではない。公式ページはサービス名と参加先をいずれも「Family」「ファミリ グループ」としており、異なる国・地域に設定したアカウントの組み合わせ、住所情報を将来どう扱うかまでは説明していない。画面上で招待できない場合に、住所や地域を推測して変更するのではなく、表示されたエラーと各アカウントの設定を照合する。

共有解除──ファイルは残るが容量は戻る

Microsoftの管理ページは、契約者が「共有の停止」を選ぶと、対象者が追加のOneDriveストレージとデスクトップアプリの利用権を失う一方、その人はファミリ グループから自動では削除されないと説明している。共有を止める操作と、グループのメンバーを外す操作は分かれている。

Microsoftの共有FAQによると、対象者のファイルは直ちに消えず、Office文書の表示と印刷は続けられるが、編集と新規作成はできず、OneDriveの上限は共有前の容量へ戻る。保存量が新しい上限を超える人は、共有が続いている間に使用量と退避先を確認しておく必要がある。

MicrosoftのOneDrive案内は、容量上限を超えると新しいファイルのアップロード、編集、同期が止まり、既存ファイルは読み取り専用になるとし、超過が6カ月続いた後はOneDrive内のファイルが削除される場合があり、削除後は復元できないと警告している。共有解除の直前にダウンロードを始めるのではなく、対象者本人が必要なファイルと保存容量を先に確認する。

スマートフォンにアカウントとセキュリティの設定画面が表示された様子(イメージ)

国内価格──FamilyとPersonalの年額差は6,100円

Microsoftの日本向け比較ページに表示された価格は、Familyが月額2,740円または年額2万7,400円、Personalが月額2,130円または年額2万1,300円で、差は月額610円、年額6,100円となる。価格は変更されうるため、購入確定前には契約者の画面で請求周期と金額を改めて確かめる。

Familyの価値は、利用者の人数、1人1TBの必要性、複数端末でのデスクトップアプリ利用で変わる。CopilotなどのAI機能は契約者に限られるため、参加者全員がAI機能を必要とする場合は、Familyの年額だけで比較を終えられない。

ノートパソコンと電卓を使ってサブスクリプション料金を比べる机上(イメージ)

共有前に確認する五項目

1 契約者。 Familyを購入したMicrosoftアカウントか、共有枠が何人分残っているかを確認する。

2 グループ。 招待する相手が別のMicrosoftファミリ グループへ入っていないかを本人に確かめてもらう。

3 認証情報。 相手は自分のMicrosoftアカウントを使う。契約者のパスワード、確認コード、プロダクトキーを共有しない。

4 保存容量。 共有を終える可能性がある日と、各ユーザーのOneDrive使用量、ファイルの退避先を先に決める。

5 料金と機能。 契約画面の月額・年額、更新日を記録し、AI機能が契約者だけに付く点を参加者と共有する。

よくある質問

Microsoft 365 Familyは最大何人で使えるか
契約者1人と招待された5人の合計最大6人である。各ユーザーに1TBのOneDriveが付き、同時にサインインできる端末は1人5台だ。

同じ住所に住む必要があるか
本稿で確認した日本語の公式共有手順とFAQには、同居住所の入力や住所確認の記載がない。確認できる条件はファミリ グループへの参加であり、記載の空白から、別居者や国・地域が異なるアカウントの利用資格まで保証することはできない。

招待はいつまで有効か
受信者は48時間以内に承諾する必要がある。期限を過ぎた場合、契約者はMicrosoft 365のダッシュボードで招待を再送する。

共有を止めるとOneDriveのファイルは消えるか
共有停止の直後にファイルが消えるわけではないが、容量は以前の上限へ戻る。使用量が上限を超えるとアップロード、編集、同期が止まり、超過が6カ月続いた後はファイルが削除される場合がある。

FamilyとPersonalの年額差はいくらか
日本向け比較ページの表示では、Familyが2万7,400円、Personalが2万1,300円で、差は6,100円である。実際の請求額は購入時の契約画面で確認する。

スマートフォンとクレジットカードを机に置いたオンライン決済の場面(イメージ)