折りたたみスマートフォン(折りたたみスマホ)の「発明者」を一人に決めるのは難しい。閉じる本体を先に実用化した系譜と、ディスプレイ自体を曲げる系譜が別に進んだからだ。
モトローラの1989年出願特許は、可動部を備えた携帯電話の構造を記録している。画面を曲げる発明ではなく、硬い画面を載せた本体をヒンジで閉じる発想である。
折れる外装──モトローラのStarTAC
クラムシェル型携帯電話は、二つの本体部分を閉じて持ち運ぶ設計だ。モトローラの1995年年次報告書は、StarTACを1996年1月に導入した携帯電話として紹介している。折れるのはディスプレイではなく外装で、現在のGalaxy Z Foldのように一枚の画面を内側へ曲げる機器とは異なる。
柔軟ディスプレイの特許は製品発売より先に積み上がった
柔軟な画面の製品化には、パネルそのもの以外の部品も必要になる。Samsung Displayに関係する2012年出願・2014年公開の特許は、柔軟パネル、折り曲げ領域、保護パネル、支持構造を含む折りたたみディスプレイ装置を記載している。特許の公開は技術案が公になった時点であり、量産や販売の開始を意味しない。
2018年のFlexPai、2019年のGalaxy Fold
Royoleは2018年10月、完全な柔軟ディスプレイを使うFlexPaiを商用折りたたみスマホとして発表した。同社は世界初と表現したが、発表文から世界全体の販売数量や継続的な市場シェアまでは分からない。
Samsungは2019年2月、Galaxy Foldを発表した。公式発表は7.3インチのInfinity Flex Display、ポリマー層、マルチリンクヒンジを挙げている。同機は同年9月に韓国で発売され、カバーディスプレイ、内側の大画面、App Continuity、マルチウィンドウを組み合わせた。Samsungの節目は、柔軟な画面を見せたことより、ヒンジとソフトウェアを含む一式を大手ブランドの製品として市場へ出した点にある。
日本ではどうなる
日本で買えるかを確認するなら、まずメーカーの国内販売ページを見る。Samsung JapanはGalaxy Zシリーズを国内で扱い、2026年8月発売のGalaxy Z Fold8について、Samsungオンラインショップ、Galaxy Harajuku、Galaxy Studio Osaka、家電量販店、主要キャリアで販売すると案内している。海外版を個人輸入すれば同じ機種を使えるとは限らず、国内版の有無、対応周波数、保証窓口を購入前に確認する必要がある。
価格は世代と容量で変わる。例えばSamsung Japanの販売ページでは、Galaxy Z Fold7の256GBモデルを税込265,750円として掲載していた時点がある。同ページは販売価格や在庫、購入可能なモデルを確認するための公式窓口であり、表示価格は変更されうる。2026年時点の現行機の価格を過去モデルから推定するのは避け、購入直前に公式ページと各キャリアの販売条件を照合するのが確実だ。
法規面では、携帯電話の無線機能を日本国内で使う前に技適マークを確認する。電波法は、海外から自ら持ち込む無線設備について、日本の技術基準に相当する基準への適合を条件とする規定を置いている。個人輸入品を一般の国内販売品と同じ扱いにせず、端末本体や設定画面の技適表示、通信事業者の対応を確認するのが先になる。
日本での事例としては、SamsungがSIMフリーモデルを直販し、直営の体験拠点や量販店、キャリアを組み合わせる販売形態を取っている。これは折りたたみスマホが日本で入手不能という意味ではない。一方、機種ごとの価格、販路、修理条件、国内通信への対応は同じではないため、「折りたたみスマホ」というカテゴリ名だけで購入条件を判断できない。
発明者を問う前に、どの部分が折れるかを見る
モトローラの1989年特許と1996年のStarTACは、折りたたみ外装の歴史に位置づく。FlexPaiは柔軟ディスプレイを使う商用製品の早い例で、Galaxy Foldは画面、ヒンジ、OSの連携を大手製品として示した。したがって「誰が発明したか」への答えは、外装ならモトローラ、柔軟ディスプレイの商用化なら複数企業の競争という形になる。
よくある質問
折りたたみスマホはSamsungが発明したのか。
Samsungは柔軟ディスプレイを使う製品を主流ブランドとして展開したが、折りたたみ外装の携帯電話は先行していた。RoyoleのFlexPaiもGalaxy Foldより早い2018年に発表されている。
StarTACと現在の折りたたみスマホは同じか。
どちらもヒンジで本体を閉じるが、StarTACは硬い画面を持つクラムシェル型で、現行の横折り機は柔軟パネル、保護層、開閉に対応するソフトウェアを組み合わせる。
日本で海外版を買っても使えるか。
端末ごとに国内販売、通信対応、保証、技適表示が異なる。総務省の案内とメーカー、通信事業者の仕様を確認し、海外版を国内版と同じ条件だと決めつけないことが先である。
出典・参考資料
- Communications device with movable element control interface, US5175759A(Google Patents)
- 1995 Summary Annual Report(Motorola)
- Foldable display device, US20140029212A1(Google Patents)
- Royole Introduces FlexPai(Royole Corporation)
- Samsung Unfolds the Future with a Whole New Mobile Category: Introducing Galaxy Fold(Samsung Mobile Press)
- Samsung Galaxy Fold Now Available(Samsung Mobile Press)
- 新しいSamsung Galaxy Z Fold8をもっと楽しむために(Samsung Newsroom 日本)
- Galaxy Z Fold7 SIMフリー購入ページ(Samsung Japan)
- 電波法(e-Gov法令検索)