ロシアとウクライナの越境攻撃が8月9日未明に相次ぎ、双方で市民少なくとも7人が死亡した。ロシア西部のベルゴロド州では無人機攻撃、ウクライナ東部ハルキウと南部オデーサではミサイルや無人機による被害が報告された。

AP通信は両国の地方当局の発表として、ベルゴロド州で5人が死亡、4歳男児を含む24人が負傷し、ハルキウでは2人が死亡、13人が負傷したと報じた。オデーサと周辺地域でも8人が負傷した。いずれも戦時下の暫定集計であり、当事国側の発表を第三者が全件照合した数字ではない。

ベルゴロド──ウクライナと接するロシア西部の州

ベルゴロド州はロシア西部でウクライナのハルキウ州と接する。2022年2月の全面侵攻後、ウクライナ側からの越境攻撃が繰り返されてきた。今回、州当局は29棟の集合住宅と5棟の民家、行政施設、商業施設に被害が出たと発表した。

夜間に作動する防空システム(イメージ)

ベルゴロド州への攻撃について、ウクライナ側による実行の確認や攻撃目標の説明は本稿で確認した資料に含まれていない。ロシア側が示す被害と攻撃主体は、現時点では同国当局の発表として扱う必要がある。

ハルキウの集合住宅に被害、オデーサでも8人負傷

ハルキウではサルティウカ地区の高層集合住宅が攻撃を受けた。州当局によると2人が死亡し、13人が負傷した。オデーサと周辺地域には数十発のミサイルと無人機が飛来し、地元当局は8人の負傷を報告した。

ロシア国防省は、ハルキウ州の無人機倉庫、オデーサ港の燃料庫とウクライナ軍の物資保管場所を攻撃したと主張した。また、ロシアが占領するクリミアや黒海、アゾフ海の上空を含め、ウクライナの無人機153機を撃墜したとしている。これらの軍事目標と撃墜数はロシア側の発表で、独立した確認はない。

ノボロシースクでも落下物、民家を損傷

ロシア南部の黒海港湾都市ノボロシースクでも、無人機の破片が企業施設2カ所と民家に落下したと市長が発表した。州当局によると1人が負傷し、民家2棟と集合住宅の窓が損傷した。市内にはカザフスタンの油田と国際市場を結ぶ主要な燃料ターミナルがあるが、今回被害を受けた企業施設の名称や用途は公表されていない。

日本の公的情報は全土の退避勧告を継続

外務省の海外安全ホームページはウクライナ全土を危険レベル4とし、退避勧告を継続している。ハルキウ州やオデーサ州ではミサイルや無人機による攻撃が日常的に起き、市民の死傷者が出ていると説明する。一方、日本政府が8月9日の個別攻撃について死傷者数を独自に確認した公的資料は、本稿の執筆時点で確認できていない。

今回の7人という死亡者数は、ベルゴロド州の5人とハルキウの2人を合算したAP通信の8月9日時点の集計である。攻撃が続く局面では発表時刻や集計範囲によって数字が変わるため、確定値とは分けて見る必要がある。

よくある質問

ベルゴロド州はどこにあるのか
ロシア西部にあり、ウクライナのハルキウ州と国境を接する地域である。全面侵攻後は越境する無人機などによる攻撃が繰り返されている。

8月9日の攻撃で何人が死傷したのか
AP通信が地方当局の発表を基にまとめた時点では、ベルゴロド州とハルキウで計7人が死亡した。ベルゴロド州で24人、ハルキウで13人、オデーサで8人の負傷が報告された。

ロシア軍が攻撃したとする軍事目標は確認されたのか
ロシア国防省はハルキウ州の無人機倉庫やオデーサ港の燃料庫などを挙げた。第三者による独立した確認はなく、ロシア側の主張として扱う必要がある。