Geminiで画像を作り直す場面では、長いプロンプト(prompt)を一度に完成させるより、変える対象と残す要素を分けた方が結果を追いやすい。Googleの現行案内では、一般の画像生成・編集をNano Banana 2が担い、速度優先のLiteと有料プラン向けのProが別に用意されている。
現在の名称──2 Lite、2、Proの違い
「Nano Banana」は単独の固定製品名として見ると混乱しやすい。Googleの現行ヘルプは、GeminiモデルをFlash-Liteに設定した場合はNano Banana 2 Lite、FlashまたはProで画像を求めた場合はNano Banana 2、Google AIプランで画像を再生成する場合はNano Banana Proを使うと案内している。Liteは速度を優先し、複数の参照画像や複数回の編集には対応しない。標準のNano Banana 2は複数画像を参照でき、Proは文字や細部を増やして作り直す用途に位置づけられる。
名称の出発点は2025年8月の更新だ。Googleは当時の製品告知で、人物やペットの外見を保つ編集、複数写真の合成、同じ画像を順に直す多段階編集、別画像からのスタイル転用を新モデルの用途として示し、生成・編集画像には可視の透かしと不可視のSynthIDを付けると説明した。現在のモデル選びは、この告知時の呼び方ではなく現行ヘルプとログイン後の画面で判断する。
| 呼称 | Gemini側の選択 | 主な使い方 | 確認点 |
|---|---|---|---|
| Nano Banana 2 Lite | Flash-Lite | 単純な画像を短時間で作る | 複数画像の参照と複数回の編集は非対応 |
| Nano Banana 2 | FlashまたはPro | 画像生成、アップロード画像の編集、複数画像の参照 | 利用量と表示機能はアカウントごとに確認 |
| Nano Banana Pro | 2または2 Liteの画像で「Proでやり直す」 | 文字や細部を増やした再生成 | Google AIプランが必要。2の日次上限到達後は追加再生成不可 |
最初の一枚──画像の入口から小さく試す
パソコン版ではGeminiにログインし、左上のサイドバーから画像生成の入口を開く。テンプレートを選ぶか、入力欄に作りたい画面を書く。生成後の画像を直す場合は、ライブラリで対象画像を開き、画像下のチャット欄へ修正内容を入れる。モバイル版はアプリの版によって配置が異なるため、同じ名称のボタンが見当たらなければ画像アイコンとライブラリを探す。
初回は条件を詰め込みすぎない。作例なら「雨上がりの日本の商店街を写実的な横位置の写真として生成する。中央に濃紺の自転車を置き、アーケードの床に夕方の光を反射させ、右側は見出し用に空ける」と書ける。対象、場所、光、表現、構図、余白が分かれているため、出力後は「自転車を左へ寄せる」といった一項目の修正へ移りやすい。
プロンプトを七つの項目に分ける
Googleの公式ヘルプが挙げる基本は、生成を求める動詞、画像の表現方法、対象、対象の動き、背景や場面である。実際の制作では、そこへ構図、画像内の文字、出力用途と保持条件を足すと校正しやすい。次の七項目は公式の固定書式ではなく、修正箇所を切り分けるための編集手順だ。
| 項目 | 書く内容 | 例 |
|---|---|---|
| 対象 | 人、物、数、見た目 | 白い磁器のマグカップ一つ、側面に細い藍色の線 |
| 動作・状態 | 対象が何をしているか | 木の机に置き、隣に開いた文庫本がある |
| 場面 | 場所、時刻、光、背景 | 集合住宅の窓辺、朝の自然光、背景は無地の壁 |
| 表現 | 写真、画材、質感 | 写実的な商品写真、自然な色、陶器の質感を残す |
| 構図 | 縦横比、視点、位置、余白 | 横位置、目線の高さ、左寄せ、右半分を空ける |
| 文字 | 文字列、言語、位置、向き | 右上に日本語で「本日営業」、横書き |
| 出力・保持 | 用途と変えてはいけない要素 | 記事の見出し画像用、カップの形と机の木目を維持 |
結果が狙いから外れたときは、七項目のうち一つを直す。カップが大きければ「画面幅の約3分の1」、人物の向きが違えば「画面左側に立ち、顔は右を向く」と追加する。全項目を毎回書き換えると、どの変更が効いたのか比較しにくい。前の画像を残し、修正前後を並べると原因を絞りやすい。
編集は三つの入口、指示は「変更」と「保持」に分ける
編集の入口は三つある。Geminiが生成した画像をライブラリから開く方法、自分の画像をアップロードする方法、複数の参照画像から新しい画面を作る方法だ。自分の画像を直す場合は「保つ部分」を先に固定する。たとえば「カップの形、藍色の線、机の木目、光の向きは保つ。背景だけを薄い灰色に変え、右端の紙を消す。カップの位置と大きさは変えない」と書く。
複数画像には番号と役割を付ける。「画像1は人物、画像2は衣服、画像3は背景として使う。人物の顔、姿勢、撮影方向は画像1から変えない」のように分けると、どの素材から何を採るかが明確になる。素材を並べただけでは、モデルが服装と背景を入れ替える余地が残る。
局所編集──位置、変更、保持の順で書く
局所編集は、位置を地図のように示す。「画面左上の通行人だけを消す。建物、看板、影、ほかの人物、縦横比は維持する」という順序なら、対象と変更範囲が分かれる。「背景をきれいにする」のような広い指示は、残したい看板や影まで変える可能性がある。
多段階の編集では、第一段階で背景、次に色調、最後に物や文字を扱う。人物やペットなら髪形、眼鏡、毛色、衣服、姿勢、撮影方向を保持条件へ入れる。ただし同一人物らしさを保つ機能は、顔や手指、装飾品の一致を保証するものではない。各段階で前の画像と見比べ、意図しない変化が出た時点で戻す。
画像内の文字と公開先を同時に決める
文字を入れる場合は、文字列をかぎ括弧で囲み、言語、位置、向き、色、避ける場所を指定する。「画像上部の中央に日本語で『週末マルシェ』と横書きし、白い太字を使う。文字は人物の顔に重ねず、四辺に余白を残す」といった形だ。Nano Banana 2は文字描画(text rendering)の改善を掲げるが、店名、人名、日付、価格、URLは公開前に一字ずつ照合する。
公開先が決まっているなら、縦横比と余白を先に書く。SNSの正方形投稿は「1対1、対象を中央、四辺に余白」、記事のカバー画像は「横位置、対象は左、右に見出し用の空間」と指定する。商品画像では、対象が占める比率、撮影方向、背景、影の向きを加える。後から大きく切り抜くと、文字や手足が画面外へ出やすい。
日本で確認する年齢、地域、プラン、解像度
Geminiウェブアプリの公式一覧には、対応言語として日本語、対応国・地域として日本が掲載されている。これはウェブ版全体の提供状況であり、個別の画像機能が全アカウントへ同時に出ることまでは示さない。勤務先や学校のアカウントでは、ライセンスや管理者設定によって入口が異なる場合がある。
個人アカウントの年齢条件は機能ごとに違う。現行ヘルプでは、画像生成は13歳または居住国で定める基準年齢以上が対象となり、18歳未満は画像編集を利用できない。学校用アカウントには別の制限があり、18歳未満はGoogleドキュメントへの画像エクスポートも使えない。
ダウンロード解像度は、Google AIプラン加入者が2K、未加入者が1Kと案内されている。Nano Banana ProはGoogle AIプラン向けの再生成機能で、Nano Banana 2の日次上限へ達するとProでも追加の画像を再生成できない。プレビューの表示寸法とダウンロードファイルの解像度は分けて確認する。印刷や大型表示では、縦横の画素数、圧縮、細部を保存後のファイルで見る必要がある。
Googleの使用量ヘルプは、上限がプロンプトの複雑さ、モデル、機能、会話の長さや処理上の制約によって変わり、上限への接近とリセット時刻はGeminiの使用量画面に表示されると説明している。日本の個人アカウントに共通する「1日何枚」という固定値は、本稿執筆時点で公式資料から確認できていない。利用可能な枚数はSNS上の報告ではなく、ログイン後の表示を基準にする。
アップロード前と公開前の確認
他人の顔、子どもの写真、勤務先の文書、顧客から預かった素材を送る前に、利用権限と個人情報の有無を確かめる。Googleの画像機能ヘルプも、第三者の著作権やプライバシーを侵害しないこと、生成物を公開・利用する前に利用者自身で検証することを求めている。仕事用と学校用のアカウントは、個人アカウントとは別の規約が適用される場合がある。
保存後は、画像内の文字、顔と手指、物の輪郭、背景の余計な物、縦横比、透かし、利用権限を順に見る。Googleドキュメントで手直しを続ける場合は、画像下のメニューからエクスポートする。画像が生成されたという事実と、広告、記事、商品ページへそのまま掲載できる品質や権利がそろったという判断は別である。
用途別の指示テンプレート
新規生成は「【表現】で【対象】を作る。対象は【動作・状態】で、場所は【場面】。構図は【縦横比・視点・位置・余白】とし、【文字・物】を加える。用途は【掲載先】で、【保持する要素】は変えない」と組める。例は「写実的な商品写真として、藍色の細線が入った白い磁器のマグカップを作る。朝の窓辺にある木の机へ置き、横位置の目線の高さで左寄せにする。右半分は見出し用に空け、人物は入れない。カップの形と線、机の木目は変えない」となる。
一枚の編集は「この画像を基に、【位置】の【対象】だけを【変更】する。【対象、構図、光、文字】は保ち、【縦横比・用途】を維持する」と書く。複数画像なら「画像1は【対象】、画像2は【服装・表現】、画像3は【背景】に使う。指定した要素だけを組み合わせ、【変えない部分】は画像1に合わせる」と役割を足す。出力に問題があれば、七項目の一つだけを直して次の画像と比較する。
よくある質問
自分の写真をどう編集するのか
Geminiにログインし、画像をアップロードして変更箇所と保持する要素を書く。ライブラリにあるGemini生成画像も、画像下のチャット欄から直せる。18歳未満は画像編集を利用できず、表示される入口はアカウントとアプリの版で異なる。
プロンプトは長いほど良いのか
長さだけでは決まらない。対象、動作、場面、表現、構図、文字、出力・保持の七項目から必要なものを選び、1回の修正を一項目に絞る。結果を比べながら条件を足すと、意図しない変化を見つけやすい。
Google AIプランなしでも画像を作れるのか
公式の機能一覧では、Google AIプラン未加入でもNano Banana 2の画像生成を利用できる。現行ヘルプでは未加入者のダウンロードは1K、加入者は2Kで、Nano Banana Proによる再生成にはGoogle AIプランが要る。残り利用量とリセット時刻はGeminiの使用量画面で確認する。
出典・参考資料
- Gemini アプリで画像を生成、編集する(Gemini アプリ ヘルプ)Nano Banana 2 Lite、Nano Banana 2、Nano Banana Proの区分、生成・編集の操作、年齢条件、1K・2Kのダウンロード、権利侵害を避ける注意を示す公式ヘルプ
- Image editing in Gemini just got a major upgrade(Google)2025年8月時点のNano Banana発表。人物やペットの外見維持、複数画像の合成、多段階編集、可視の透かしとSynthIDを説明した公式告知
- Google AI のサブスクリプション プランに応じた Gemini アプリの使用量上限とアップグレード(Gemini アプリ ヘルプ)日本を含むプラン提供地域、プラン別の機能、変動する使用量上限、ログイン後の使用量確認方法を示す公式ヘルプ
- Gemini ウェブアプリを利用できる言語と国 / 地域(Gemini アプリ ヘルプ)Geminiウェブアプリの対応言語に日本語、対応地域に日本を掲載する公式一覧